ニュースリリース

シリコンスタジオ、村本建設にBIM・点群データ活用ソリューションを開発・提供 Unity ReflectでBIMモデルと点群データの重畳表示や多人数・多拠点設計レビューなど実現

エンターテインメント業界を中心に、自動車、映像、建築など、さまざまな業界向けにデジタルコンテンツ関連ビジネスを展開するシリコンスタジオ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:梶谷 眞一郎、東証マザーズ:証券コード3907、以下「当社」)は、村本建設株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役:村本 𠮷弘、以下「村本建設」)に対し、生産性および品質向上を実現するDX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として、BIM・点群データ活用ソリューションを開発、提供したことをお知らせします。

Muramoto × Silicon Studio

DX(デジタルトランスメーション)により働きやすい労働環境の実現を推進している村本建設では、全国の現場に何度も足を運び、写真を撮影したり、寸法を計測したりしなければならない施工検査の効率化は、特に往来が制限されるコロナ禍の対応として取り組まなければならない課題の1つでした。また、測定デバイスの進化などにより、以前よりも取得しやすくなった点群データ※1をどのように利活用するかも課題とされていました。
このたび、当社が村本建設に対して開発、提供したBIM・点群データ活用ソリューションは、ユニティ・テクノロジーズ社が提供するゲームエンジン「Unity(ユニティ)」と、3次元の建物デジタルモデルと管理情報を統合したBIM※2データを連携し、リアルタイム 3Dモデリングをシームレスに実現する「Unity Reflect(ユニティ リフレクト)」を活用したものです。データ容量が大きくなりがちな点群データも現場で扱いやすいように軽量化し、BIMデータと点群データの重畳表示による進捗管理ワークフロー、および多人数・多拠点での設計・点群データレビュー環境を構築しました。
これにより、わざわざ現場に足を運ばずに、あたかも実際に現場にいるかのように設計データと施工状況の差異を遠隔の複数拠点から多人数で視覚的に比較、確認できるようになります。情報共有と進捗確認の精度を向上させ、時間短縮などの効率化を図ることが可能です。

BIM表示

BIM表示

BIM・点群 重畳表示

BIM・点群 重畳表示

BIMデータと点群データの重畳表示による進捗管理ワークフロー

Unity ReflectおよびUnity Reflect標準のビューワーは点群データをサポートしていないため(2022年3月現在)、BIMデータと点群データとの重畳表示ができるようカスタマイズすることにより、遠隔地での施工進捗確認を可能にしました。

多人数・多拠点での設計・点群データレビュー環境

点群重畳表示機能を追加したUnity Reflectのカスタムビューワーにより、BIMデータおよび点群データの多人数・多拠点レビューを可能にしました。PCやタブレットのほか、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着することにより、VRレビューも実現します。(BIMデータはARグラスによるMRレビューも可能です)

今後、当社および村本建設では、さらなる現場に即したワークフローの構築、追加機能の実装を目指す予定です。
なお、このたびのBIM・点群データ活用ソリューションの開発・提供にあたり、村本建設の太田様より下記のコメントをいただいております。

建設現場は、古くから変わらない現地1点物(オーダーメイド)での製作という大きな課題があり、「現地に行かなくては仕事ができないもの」という固定観念に縛られていましたが、昨今のコロナ禍でその固定観念を打破する必要があると感じていました。一方で、現場では紙ベースの図面(2D)からデジタルデータ(3D)への移行がようやく進み始めた状態で、デジタルデータの活用は一部に限られ、まだまだデータの魅力を持て余している感じがしていました。そのような中、村本建設では『固定観念の打破』と『デジタルデータ』を効果的につなぎ合せるため、デジタルデータ、特に点群データの活用に着目し、建設業界とは縁遠いと思われていたゲーム・映像事業を得意とするシリコンスタジオ様とタッグを組むことで、効率的にかつスピード感を持って開発を進めることができています。
今後は開発している技術が業界を超えて多くの方に利用してもらえるものになるよう、一緒に考えていきたいと思っています。
村本建設株式会社 技術開発部 チームリーダー 太田 稔

※1 点群データ(ポイントクラウド):物体や地形を3Dレーザースキャナーなどで計測した無数の3次元座標を持つ「点」によって構成されるデータの集合。X、Y、Zの基本的な位置情報や色などの情報を持つ。
※2 BIM:Building Information Modelingの略。コンピューター上に作成した3次元の立体モデル(BIMモデル)に、形状や部材、地理情報などの属性データを追加し、設計から施工、維持管理に至るまでの建築ライフサイクルにおいて蓄積されたデータを構築・管理することで、生産性と品質を向上させるワークフロー。

※ 記載されている名称は各社の商標または登録商標です。

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